着実に身につく学びへ。小さな振り返りのすすめ
続けている学習を、より確かなものにするために
30日習慣チャレンジに取り組む中で、毎日、あるいは定期的に学習の時間を取れていることと思います。素晴らしい一歩を踏み出し、それを続けていらっしゃることに敬意を表します。
さて、学習を続けていると、「このまま続けていて、本当に身についているのだろうか」「学んだことが、ちゃんと頭に残っているか不安だ」と感じることがあるかもしれません。特に、新しい分野や苦手意識のあることについて学んでいる場合、このような気持ちになるのは自然なことです。
学習を単に「こなす」だけでなく、着実に自分のものにしていくために、そして、不安を感じることなく学びを進めていくために、一つ試していただきたい習慣があります。それが「振り返り」です。
振り返りとは何か、そしてなぜ大切なのか
「振り返り」と聞くと、難しく考える必要はありません。それは、学んだことについて少し立ち止まって考え、自分の状況を整理する時間のことです。
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単なる記録ではありません 何時間学習したか、どのページまで進んだか、といった「記録」も大切ですが、振り返りはそれ以上のものです。「何を学んだのか」「どう感じたのか」「次に何をすべきか」といった、学びの質に関わる部分に目を向けます。
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なぜ振り返りが大切なのでしょうか
- 学習内容の定着を助ける: 学んだことを頭の中で整理し、言葉にすることで、記憶に残りやすくなります。
- 学習方法を改善できる: 「なぜ理解できなかったのだろう」「どんな時に集中できたか」などを考えることで、自分に合った学び方を見つけ、効率を高めることができます。
- 自分の成長を実感できる: 過去の振り返りと比較することで、「これだけ進んだ」「前は分からなかったことが分かるようになった」という成長を実感でき、モチベーションにつながります。
- 不安を和らげる: 「何となく進めている」状態から、「〇〇ができるようになった」「次はこれをやろう」という明確な状態になることで、漠然とした不安が軽減されます。
特に、学び直しをされている方にとって、これまでの経験と結びつけながら学ぶためにも、振り返りは非常に有効な方法となり得ます。
小さく始める、無理のない振り返りのステップ
では、どのように振り返りを始めれば良いでしょうか。「毎日じっくり時間を取って」と考えると負担に感じるかもしれません。ここは「小さく始める」のが習慣化の鍵です。
ステップ1:振り返りのタイミングを決める
- 毎日、学習を終えた後に5分だけ
- 週末に、その週の学習全体を10分だけ
- 朝の準備や夜寝る前の静かな時間を利用する
このように、ご自身のライフスタイルに合わせて、無理なく続けられるタイミングを決めてみてください。長さよりも、定期的に行うことが重要です。
ステップ2:振り返りの内容を決める(最初はシンプルに)
最初は以下の3つの問いについて考える、または書き出すことから始めてみましょう。
- 今日(または今回)、何を学びましたか?
- 具体的な内容、キーワード、重要なポイントなどを思い出してみましょう。
- それを学んで、どう感じましたか?
- 難しかったですか? 面白かったですか? 疑問に思った点はありますか?
- 次に、どう活かしますか?(または、次に何をしますか?)
- 学んだことをどう使ってみたいか、次に調べるべきことは何か、次に進むべきステップなどを考えます。
ステップ3:振り返りの方法を選ぶ
特別なツールは必要ありません。使い慣れた、またはすぐに手に取れるものが最適です。
- 手帳やノートに書く: 日付を書いて、箇条書きや簡単な文章で書き出してみましょう。後で見返すこともできて便利です。
- 簡単なメモアプリを使う: スマートフォンやタブレットのメモ機能でも十分です。
- 「考える時間」を持つ: 必ずしも書き出す必要はありません。歩きながら、お茶を飲みながら、静かに今日(今週)の学びについて思いを巡らせるだけでも立派な振り返りです。
振り返りを習慣にするためのヒント
- 既存の習慣に紐づける: 例えば、「夕食後にコーヒーを飲むときに、学習ノートを開いて3行書く」のように、既に習慣になっている行動に「振り返り」を付け加えると定着しやすくなります。
- 完璧を目指さない: 毎日できなくても、決めた時間取れなくても大丈夫です。「今日は一行だけ書こう」「疑問点だけメモしておこう」など、ハードルを下げて続けることを優先しましょう。
- 自分の言葉で: 難しく考えず、心に浮かんだことをそのまま書き出したり、頭の中で整理したりすることが大切です。
穏やかな振り返りが、学びを豊かにする
振り返りの習慣は、あなたの学習をより一層、価値あるものに変えてくれます。焦る必要はありません。ほんの数分でも、週に一度でも良いのです。静かに自分の学びと向き合う時間を持つことで、知識やスキルがより深く根付き、自信を持って次のステップへ進むことができるでしょう。
30日間のチャレンジの中で、ぜひ「小さな振り返り」の時間を設けてみてください。きっと、学びそのものが、より楽しく、手応えのあるものになるはずです。